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Otaku Kansou blog

拝啓 もふもふの君へ

17年と8ヶ月の犬生を終えたもふもふの君に、伝えたいことがある。




君に出会った日のことを今でも覚えている。
あれはまだ、私が幼い春の日。
あの頃の私は大型犬を飼うことに憧れていた。
具体的に述べるとゴールデンレトリバー
黄金色で、光に当たるときらきらとした毛並み、大きな身体、優しい表情、その全てに憧れていた。
もう1匹飼っていた犬はカニヘンの血を引く犬だったので、小柄でプリティー…。
そう、それはジャンル違いの可愛さである。



そんな時、ペットショップで偶然出会った君は、3人兄弟揃って、南の地方からやってきていた。

乳離れしたばかりで目の焦点も定まっていないような、小さな小さな子だった。
今なら動…護法でNGレベルである。
そこで、ゴールデンレトリバーのような黄金色の毛並みをなびかせた君に、私たち家族は恋をした。

ペットショップの店員さんが言う「抱っこしてみますか?」は、悪魔の囁きだ。
一度抱き抱えてしまったら、その暖かさを知らない自分には二度と戻れないのである。

それに加えて、君は叩き売り状態。本当に言えないほどとても安値だった。
具体的に言うと最近のビ…フリーゼとかなら、君が6頭ほど買えるくらい…(言うんかい)
なぜそんな安値だったかと言うと、ブリーダーさんの元で不慮の事故があり
尻尾の先を怪我してしまったようで、鍵尻尾だという理由だそうだった。

そんなことも全く気にならなかった。
大人たちにも、値段とか何もかもどうでもいいと感じさせるような…
一度抱き抱えてしまったらしがみついて離れない君、
カゴに戻したらまた出てこようとしてくる君…他の犬より前に出てこようとする君…

要するに愛嬌がすごかったのである。「魅力的…?」と今ならつぶやいてしまう。
私は大きな犬に憧れていたが、もちろん、家族総員がイチコロだった。
新しく仲間を迎え入れる予定も重なり、すぐにその日のうちに迎え入れる準備をしたね。
ちょっと面白いくらいに速かったな。



小さな小さな身体だった君は、単純に生後まもなかっただけだった。
みるみるうちに頭も手も身体も大きくなり、ミニチュア…の犬種の範疇を超えてしまった。
でもね、大きな犬を飼ってみたかった私は、予想外に大きく育ったので本当に嬉しかったんだよ。


毎日ピアノを弾いていたから、私の隣のソファーまでわざわざ来て眠っていたね。
先代のちよさんがソファーの背もたれに登って近くまでくるから、
私が低音弾く時はぶつかりそうになったっけ。
そして若いときは真似して登ったりしていたね。今考えるとかなり危ないけど。
君たちは私の一番のお客さんだった。

沢山散歩したり、勝手にベランダを抜け出して隣の家まで2匹で遊びに行ってたり。
飛んでる蝶々を追いかけて食べようとしていたり、本当に食いしん坊だったし。
勝手に私の部屋に入ってくるから、なんでも食べちゃって、何度も病院に行ったり。
ある日には、カーペットの匂いを嗅いでいたと思ったら、
鼻の穴に虫を吸い込んじゃっててくしゃみが止まらなくなっていたり。
先代の先輩わんこのちよさんにヒステリックに当たり散らかされていたり。
やさしくて、全く怒りもしないから、物理的に尻に敷かれていたり。
描ききれないほど、本当に面白いことも沢山あったなぁ。

お洋服着るのも好きで、写真を撮ろうとすると必ず目線も合わせてくれるし。
本当に可愛かったなぁ。
大学受験のセンター試験が上手くいかなくて落ち込んだ日も、
長い実習が続いて大変な日も、国家試験の勉強をしていた頃も君は私のそばにいてくれた。



全てが昨日の事のように思い出せるのに、
私は大人になって、君はおじいちゃん犬になった。


沢山病気もして、自由にご飯も食べられなくなって、目も身体も不自由になって…
その度に「もうだめかな」って何度も思った。
そもそも、小型犬の寿命的に、私が大人になったらもう1人ぽっちなんだろうなって思ってた。
けれど、病院の先生もなんでもやってくれるような先生のおかげもあったし、
君も頑張ってくれたから、私たちはこんなにも長く一緒に過ごせたんだと思う。

愛している以上に愛が伝わる言葉があればいいのになって思うけれど、
君でしか埋められない心の穴が、愛のかたちなんだと思う。


これからくる冬は、君がいない寒くて重たい冬だ。
家からは、君の足音や、身体を振るわせた時に聞こえてくる大きな耳をぱたぱたとさせる音や、
甘えるような鳴き声も聞こえなくなってしまったし、
君の名前をつい呼んでしまっても、あの眼差しが向けられることはもうないんだね。

ちょっと寒い日には君と一緒にブランケットに包まることもできなくなってしまった。
今まで過ごした18年間があまりに重たすぎて、これからどう過ごしていけばいいのか全然わからないけれど、
私も大人だから自分なりの割り切り方を見つけられると思っているよ。きっと大丈夫。




拝啓、もふもふの君へ。

私たち家族の元へ来てくれて、沢山の幸せをくれて、ありがとう。
おじいちゃんになるまで、ずっとずっと可愛くて、やさしい子だったね。

今度会うときは、私が眠る頃、夢の中で待ち合わせしよう。
ゆっくり、おやすみなさい。